みどころ

ゾーン1 恐竜ルネッサンス 詳細

1969

デイノニクス命名

古生物学者ジョン・オストロム博士によるデイノニクスの研究で、それまで考えられていたような愚鈍な恐竜のイメージが一新。この恐竜は素早く活発に動く生物で、鳥や哺乳類のような温血(恒温)動物だったのではないか、と考えられるようになった。オストロム博士の研究は、76年には、デイノニクスのような恐竜から鳥類が進化していたとする「鳥類の恐竜起源説」につながり、「恐竜ルネッサンス」という新しい恐竜観の時代が始まった。

ジョン・オストロム博士 © Courtesy of Yale Peabody Museum

デイノニクス復元骨格 © Courtesy of Yale Peabody Museum, photograph by Robert Lorenz

すべてはこの指先と手首から始まった――

足の第2趾(ホロタイプ標本) 所蔵:イェール・ピーボディ自然史博物館

デイノニクスのホロタイプ標本※、日本初上陸!!

「恐ろしいツメ」を意味する学名のもとになった、門外不出の「ホロタイプ標本」が日本に初上陸します。

※ホロタイプ標本:完模式標本とも訳され、学名の参照基準となる一個体の標本

右の手首から手の甲(実物化石) 所蔵:イェール・ピーボディ 自然史博物館

1970

謎の恐竜 デイノケイルス 命名ゾーン2ヘ

1976

「鳥類の恐竜起源説」 ジョン・オストロム博士が提唱

1979

恐竜が子育て!? 「子育て恐竜」マイアサウラの発表

巣の中にふ化前後の卵や子どもの化石が見つかり、親が子どもの面倒を見ていた形跡が確認された。恐竜は卵を生みっぱなしで、生まれた子どもの世話もしないだろうという「常識」が一新。

1982

ディノサウロイド(恐竜人間)発表

恐竜がもし絶滅していなかったら、脳が大きくなり、直立歩行になっていた?カナダの研究者デール・ラッセル博士が仮説「恐竜人間」を発表(「羽毛恐竜」の発見により、現在であれば、ディノサウロイドも羽毛で復元されるだろう)。

所蔵:群馬県立自然史博物館

1996

最初の「羽毛恐竜」シノサウロプテリクス発見(中国・遼寧省)

ついに鳥類の恐竜起源説を裏付ける物的証拠、「羽毛恐竜」が発見された。初期の羽毛はフリースのように短く、夜間に毛布のように体温を保持することに役立ったらしい。

シノサウロプテリクス(参考画像) © IVPP

2003

四翼の恐竜発表

鳥類への進化の過程で、「羽毛恐竜」は、短い羽毛だけではなく、前あしと後ろあしに翼を持つ四翼の動物の段階があったことが判明。

ミクロラプトル(複製) 所蔵:国立科学博物館

2008

「イクメン恐竜」がいた!? オスが抱卵

抱卵姿勢のシチパチの化石が見つかり、恐竜も鳥類のように抱卵していたことが明らかになった。さらにこの年、抱卵をオスが担当していた可能性が示唆された。

シチパチ(複製)
©Institute of Paleontology and
Geology of Mongolian Academy of Sciences

2010

アンキオルニス、世界で初めて全身の色がわかった!

全身の色が推定された恐竜としては世界初。羽毛の表面のメラノソームという色素の形状と密度から、体色の復元に成功した。2018年には、鳥類が体を軽くするために行う「吐き戻し」(消化しにくかったものを口から吐き出して、体重を軽くする行動)が、恐竜の段階ですでに行われていたことが判明した。

アンキオルニス復元画
© Utako Kikutani

to be continued…

ゾーン2 「謎の恐竜」デイノケイルス 詳細

モンゴル・ゴビ砂漠で1965年に見つかった前あしの化石。「恐ろしい手」を意味するデイノケイルスと命名されたものの、他の部分が見つからなかったため、「謎の恐竜」とされてきました。近年見つかった頭骨など貴重な実物化石と、全身復元骨格を本展で世界初公開。謎の恐竜がついにベールを脱ぎます。

前あし(展示は複製)
© Institute of Paleontology and
Geology of Mongolian Academy of Sciences

頭部 目より前の口の部分が長く、上下方向にぶ厚い。先端は横方向に広がっていて、幅広なクチバシを持っていたと考えられる。

頭部(実物化石)
© Institute of Paleontology and
Geology of Mongolian Academy of Sciences

全身骨格図
© Genya Masukawa

手の指先は肉食恐竜のように鋭くとがっているのに、足の指先は植物食恐竜のヒヅメのような特徴を持つ。

右足(実物化石)
© Institute of Paleontology and
Geology of Mongolian Academy of Sciences

デイノケイルス発掘・研究史

  • 1965年モンゴル・ゴビ砂漠で長さ2.4mの前あしの化石発見

    デイノケイルス発掘現場(1965年) MPC-D100/018, Institute of Paleobiology PAS

  • 1970年前あし化石に「恐ろしい手」を意味するデイノケイルスと命名

  • 2006~
    2009年
    韓国隊による発掘調査により2体の化石発見、2014年発表の論文で全貌が明らかに。
    2019年、本展で全身骨格を世界に先駆けて公開。

    韓国隊の李隆濫博士(写真右)ら
    © Yuong-Nam Lee, Hang-Jae Lee

    デイノケイルス発掘現場
    © Yuong-Nam Lee, Hang-Jae Lee

世界有数の化石発掘地・モンゴルから最新の研究成果

ロミオとジュリエット

並ぶように化石で発見された2体のカーン(オヴィラプトル類)。尾の形の違いからオスとメスだった可能性が高く、「ロミオとジュリエット」という愛称で有名になった。2体の死因が悲劇的なものだったかどうかはわからないが、約7500万年前の急な砂嵐の犠牲になったのかもしれない。

カーン(オヴィラプトル類) © Mick Ellison

きょうだい化石

3体のオヴィラプトル類が折り重なるように化石となって発見された。死後、化石がたまたま集積したのではなく、巣のような場所で一緒に生息していた可能性が高いと考えられる。恐竜の集団生活などの社会性を示す化石として注目されている。

オヴィラプトル類 © Institute of Paleontology and Geology of Mongolian Academy of Sciences

2本指の新種?

長さ50cmにもなるカギツメ状の指先を持ちながら植物食だったと考えられる種もいたテリジノサウルス類。現在研究中のこの新しい化石は、本来3本だった指が2本だったことから、新種の可能性が高い。

テリジノサウルス類 © Institute of Paleontology and Geology of Mongolian Academy of Sciences

ゾーン3 日本の恐竜世界 詳細

骨格の8割以上がそろった全身化石の発見は、大型恐竜としては国内初。その全身実物化石と全身復元骨格を地元・むかわ町以外で初公開します。「むかわ竜」と同じ時代に生きた、モササウルス類など海の爬虫類も紹介します。

日本の恐竜研究史上、最大の発見!

・白亜紀後期の恐竜全身骨格は国内初

・海の地層から発見された恐竜の全身骨格化石は国内初

「むかわ竜」全身実物化石
北海道むかわ町穂別産 所蔵:穂別博物館

「むかわ竜」が生きた恐竜世界を4Kシアターで!

日本各地で発見された恐竜や海の巨大爬虫類を最新研究をもとに高精細CGで再現。「むかわ竜」やモササウルス類が生きた日本の恐竜世界を、迫力の4K超高精細映像でお楽しみください。

©NHK

「むかわ竜」発掘・研究史

  • 2003年北海道むかわ町で、町民男性が部分化石を発見。海に堆積した地層から見つかったため、当初は大型爬虫類の仲間・首長竜と考えられ、穂別博物館の収蔵庫に保管される

  • 2011年首長竜研究を専門とする東京学芸大学の佐藤たまき准教授が、首長竜ではないことを指摘。北海道大学の小林快次准教授が恐竜の化石と確認し、現地を再調査(肩書は当時)

  • 2013年骨格の続きがまだ地層中にあることが確認され、本格的な発掘が始まる

  • 2017年「国内で最も完全度の高い恐竜全身骨格発見」を発表

    「むかわ竜」発掘現場 2013年第一次発掘、
    藤田良治氏(愛知淑徳大学創造表現学部)撮影

  • 2019年全身骨格が復元され、本展で公開される

新知見を世界に発信!日本のモササウルス類

「むかわ竜」は海底に堆積した地層から発見されました。この頃、海の食物連鎖の頂点に君臨していたのは、恐竜ではないモササウルス類です。国内で発見された最良・最高のモササウルス類の化石を紹介します。

モササウルス類

ヒレの長い新種?和歌山県で発見された日本で最も完全度の高い全身骨格を展示!

復元画
© Utako Kikutani

モササウルス類 所蔵:和歌山県立自然博物館 ©和歌山県立自然博物館

フォスフォロサウルス

海の爬虫類では初めて夜行性が示唆されたモササウルス類

フォスフォロサウルス 所蔵:むかわ町穂別博物館

ゾーン4 「恐竜絶滅」に迫る! 詳細

約6600万年前、地球に隕石が衝突。恐竜のほとんどが滅びましたが、その一部は鳥類として現在も進化を続けています。中生代がどのように終わり、新生代がどのように始まったのか、最新研究を紹介します。

「絶滅」前夜

約6600万年前、ティラノサウルス、トリケラトプスなど、最後の恐竜たちの生態系があった。恐竜は繁栄期の絶頂にあったのか?絶滅直前の最後の恐竜たちを紹介する。

ティラノサウルス復元骨格
© Courtesy of The Royal Saskatchewan Museum

隕石衝突

隕石衝突の影響で、中生代がどのように終わり、新生代がどのように始まったのか。その研究の最前線に迫る。コロラド州で発見されたわずか10㎝の地層(K/Pg境界層)の中から、当時の出来事を読み解くことができる。恐竜時代の終わりを、迫力のCG映像とともに伝える。

© NHK

爬虫類 vs 哺乳類

急激な環境変化で、生物多様性が激減。その状況が回復する過程で、いち早く哺乳類が台頭してきたことが、最新研究で明らかになってきた。隕石衝突以前の白亜紀には爬虫類に比べて小さかった哺乳類にも、大型種が出現するようになった。生き残った生物の化石を比較しながら紹介する。

左:ワニ類 右:哺乳類 所蔵:デンバー自然博物館 © DMNS Rich Wicker Photo